さあ始まりました!東西ダサい腰巻きビル対決!!!
まずは東代表、東~~~京~~~~~
前頭、大手町野村ビル~~~~~
低層部に旧ビルの意匠を再現と言いつつ、まさかの古典建築たる旧ビルのファサードにクッッソデカイガラスをはめ込む暴挙!見よこれがニッポンのポストモダンだ!!!
大関、三菱信託銀行ビル~~~~~
(仮称)丸の内1-3計画☆銀行会館・東京銀行協会ビル・みずほ銀行前本店ビル3棟が一体建て替えへ - 都市の風景 Building and Subculture In Tokyoより
近代ニッポンを代表する古典建築、日本工業倶楽部会館に乗っかる調和ガン無視の大変立派なガラスのファサード!これをデザイナーのオ●ニーと言わずに何という!!!
そして横綱、歌舞伎座タワー~~~~~
歌舞伎座タワー : 外国人観光客を連れて行くべき、東京の観光スポット10選より
言わずと知れた銀座歌舞伎座におっきなビルを乗っけてみました!世界よこれぞカオス大好き現代ニッポンの伝統芸能、歌舞伎が選んだ成れの果てだ~~~~~!!!
そんな東の雄・東京に勝るとも劣らぬ実力の持ち主、西代表、神戸~~~~~
前頭、海岸ビル~~~~~
seminarより
震災で全壊した旧海岸ビルヂングを復元したら、どうして上に何か乗ってしまった・・・!雑居地を代表する古典建築、神戸港からの眺望に最強のアクセント!!!
大関、神戸朝日ビル~~~~~
せっかくの美しい扇型のファサードを全否定するような正方形のウイロウが一本!腰巻きを請け負ったお雇いデザイナーのやりたい放題は留まるところを知らない!!!
そして横綱、神戸地裁~~~~~
187件目 神戸地裁 〜ご注文はカニですか?〜 - Re:裁判傍聴.netより
wikiにすら「中途半端な外観は一般市民にはかなり不評」と評されるダサさ!チンケな真っ青のガラスファサード!もはやなぜ増築したのかを疑うレベル!!!
東西ダサ過ぎ腰巻きビル対決!東京・歌舞伎座タワーvs神戸・神戸地裁!ファイッ!! pic.twitter.com/NFT2WPzZRC
— *る*た* (@ruta_q) 2016年4月30日
うーん、ダサい https://t.co/PlekONr3ax
— いなばはローグワン❤(気候破壊神) (@soonsoul) 2016年4月30日
さて、前置きが長くなってしまった。今回は私が若輩者ながらに以前から問題視してきた「腰巻きビル」についての話題である。
まあ上記写真でご理解いただけた通り、腰巻きビルとは下層部に旧ビル、ないし旧ビルのファサードや意匠を残したままその上に新ビルを増築したビルのことである。私の知る限りでは、この類のビルは東京と神戸が双璧となっており、2つの都市では今も量産が続いている。
腰巻きビルの大義は他ならない「歴史的建造物の保存」である。土地の高度利用が要請される都心に多く残存する歴史的建造物は、どうしても都心の高度利用に対する弊害となる。しかしながら往時のビルをすっかり解体して新たなビルを建てるとなると、やはり抵抗が大きい。そうしてやむを得ない妥協案として登場し始めたのがこの腰巻きビルなのである。
確かにその理念自体は理解できる。丸の内のスカイラインが未だ31メートル※の調和を保ちながら世界都市TOKYOの顔を標榜できるかと言えば、高度利用の観点からすれば難しいのは明らかである。しかし我々は、「歴史的建造物の保存」という大義名分で進められるデザイナーの横暴/デベロッパーの独善を許して良いのだろうか。
※31メートル・・・戦前の市街地建築物法と戦後の旧・建築基準法で採用されていた建築物の絶対高さ規制。これにより、東京の丸の内や大阪の御堂筋には高さ31メートルに揃ったスカイラインが現出した。
腰巻きビルに明らかな傾向は、おおかたの新ビルが旧ビルとの調和を無視し、旧ビルとはまるで対照的なガラス張りの新ビルばかりとなっている点である。上記の三菱信託銀行ビル(旧・日本工業倶楽部会館)のデザインに至っては建築家自身が「あえて」ガラス張りを選んで対照的な様相を強調したというから驚きである。
一棟のビル内部に矛盾をはらんでおり、せいぜい自己完結しかできない腰巻きビル。そんな建築が周囲への調和を実現するだろうか。腰巻きビルがデザイナーの名を残すための手段と化しているような気がしてならない。
明らかに、デザインが時代に追いついていないような気がする。そうこうしている間にも腰巻きビルは量産されている。日本の建築学は腰巻きビルについて真摯な反省のもとに総括を下すべきではないだろうか。ポストモダン建築の成れの果てがこの惨状では、日本の建築に明るい未来は無い。
私は名古屋に一端の希望を抱いている。名古屋は日本を代表する大都市にあって、腰巻きビルを造るような狡猾さを持っていない。私が腰巻きビルの可能性を危惧した錦二丁目計画も、最終的には旧ビルと新ビルを完全に分けることで決着がついた。
http://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec160303_nishiki.pdfより
都心の高度利用が求められている以上、すべてが名古屋と同じようにできるとは思わない。しかしながら、デザインの歩み寄り、デザインの進化による歴史的建造物との調和は決して難しいことではないように私には思える。そもそもなぜ歴史的建造物の保存より高度利用が優先課題となるのか、ガラスのファサードでコントラストを強調する必要はあるのか、旧ビルと新ビルのデザインを合わせることはできないのか等―腰巻きビルが後世の恥とならないためにも、ここで一旦立ち止まって現状を省みる試みに、少しぐらい期待させてくれても良いはずである。(続きはこちら)
一連の論議をtogetterにまとめました。ご覧ください
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